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第111回医師国家試験の眼科解説 | オンライン眼科
国家試験

第111回医師国家試験の眼科解説

今回の記事は第111回医師国家試験の問題を解説していきます。全15問を解説しています。

111A16

解答)bc

解説)

眼窩先端部には視神経、動眼神経、滑車神経、外転神経、三叉神経第1,2枝が通っています。

動眼神経麻痺が起こると、散瞳と眼瞼下垂が起こりますから、正解はbcになります。

aの兎眼は顔面神経麻痺、dは眼窩先端部に占拠性病変があると眼球は突出します。また、eも三叉神経第1枝障害で角膜知覚は低下します。

眼窩先端部症候群について知りたい方はここをクリック

111A24

解答)c

解説)医師国家試験レベルでは、出血などが黄斑部に限局する病変で、年齢が50歳以上であることより加齢黄斑変性と診断します。

治療方法は汎網膜光凝固術、抗VEGF薬硝子体内注射、光線力学療法などがありますが、医師国家試験レベルでは汎網膜光凝固術と抗VEGF薬硝子体内注射を抑えれば解けます。

加齢黄斑変性の第一選択薬は抗VEGF薬硝子体内注射です。

また、中心窩は視力に重要な部位です。網膜光凝固術は網膜にレーザー光を当て、その部位の組織を壊死させ、それ以上病変が広がらないようにするイメージです。

つまり、中心窩に病変がある場合、汎網膜光凝固術は選択しません。よって、この問題の場合は抗VEGF薬硝子体内注射を選択すると考えても良いでしょう。

加齢黄斑変性症について知りたい方はここをクリック

111B43

解答)d

解説)

この写真の赤く囲った部位が所見で、これはドライアイの所見です。また、長時間パソコンで症状が増悪すること、それ以外の所見は正常で、Schirmer試験が基準より低下していることもドライアイの所見と一致している。

ドライアイの治療薬は人工涙液などが挙げられます。よって、正解はdになります。

ドライアイについて知りたい方はここをクリック

111D02

解答)e

解説)

これは手術を見たことがないと厳しいと思います。これはレンズを入れているシーンです。

白内障手術を見たことがない方はぜひこちらの動画をご覧ください。Twitterでもお世話になっている先生の動画を供覧いたします。

提供@segazukiman

白内障について知りたい方はここをクリック

111D56

解答)be

解説)

下記のように前房蓄膿と角膜混濁を認めています。前房蓄膿を認める患者としては眼内炎、ベーチェット病が医師国家試験では重要です。

前房蓄膿の性状の違いが臨床的には重要になりますが、医師国家試験では現病歴で判断することができます。

今回の場合、症状発現前に白内障手術を行っています。眼内炎の原因として内眼手術(白内障手術や硝子体内注射など)が重要です。

眼内炎の治療としては抗菌薬点眼、全身投与に加えて、早急な硝子体手術を行います。よって、解答はbeとなります。

細菌性眼内炎について知りたい方はここをクリック

111F04

解答)a

解説)

疾患と主な症状は下記の通りです。

白内障:視力低下、霧視など

加齢黄斑変性:視力低下、歪視、中心暗点など

開放隅角緑内障:視野障害、眼痛など

裂孔原性網膜剥離:飛蚊症、視力低下、視野障害など

網膜中心動脈閉塞症:視力低下など

よって、解答はaである。

白内障加齢黄斑変性症開放隅角緑内障裂孔原性網膜剥離網膜中心動脈閉塞症について知りたい方は各疾患をクリック

111G03

解答)c

解説)

紫外線が影響するのはcのみです。

電気性眼炎について知りたい方はここをクリック

111G16

解答)b

解説)

スペキュラーマイクロスコープは白内障手術前に検査を行いますが、角膜内皮細胞の数を測定し、術後に水疱性角膜症を起こさないかどうかそのリスクを確認します。

スペキュラーマイクロスコピーについて知りたい方はここをクリック

111G32

解答)a

解説)中断の左右を比較すると良く分かります。←を見ている時、左目は内転がやや強く、→を見ている時、左目は外転が弱くなっています。

よって、解答はaの外転神経麻痺です。

111G36

解答)be

解説)

眼球突出したり、逆に眼球陥凹したりする疾患では複視を生じます。よって、答えはbeとなります。

視神経炎甲状腺眼症網膜色素変性顔面神経麻痺眼窩吹き抜け骨折について知りたい方は各疾患をクリック

111I05

解答)d

解説)

アルカリが目に入った場合は、受傷したらできるだけ速やかに水道水などの流水で10分以上洗眼する。その後、眼科来院時には生理食塩水などを用いて10~20分以上かけて、1~2L以上洗眼を行う。

角膜化学熱傷について知りたい方はここをクリック

111I43

解答)b

解説)

以前から悪心を伴う頭痛は緑内障発作を繰り返していた恐れがあります。また、40歳以上で視神経乳頭陥凹拡大を認める方は、緑内障リスクがあるため精査が必要です。緑内障の診断には視野検査が必要ですから解答はbとなります。

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111I50

解答)a

解説)

キーワードを抜き出すと

  • 左下腿に硬結を伴う紅斑(結節性紅斑)
  • 視力低下、霧視、飛蚊症
  • 雪玉状硝子体混濁
  • (写真)豚脂様角膜後面沈着物(KPs)

です。皮膚に結節を認め、雪玉状硝子体混濁、豚脂様角膜後面沈着物があることから、サルコイドーシスが疑われます。

よって、サルコイドーシスでは組織生検にて、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めます。今回は結節性紅斑があるため皮膚生検が有効な検査です。以上から解答はbになります。

サルコイドーシスについて知りたい方はここをクリック

111I52

解答)b

解説)

現病歴から誘因としてコンタクトレンズがあり、角膜が白く白濁している(=角膜混濁)部位があります。コンタクトレンズが引き起こす病気として感染症(角膜炎など)があり、その原因としてアカントアメーバ緑膿菌などが挙げられます。アカントアメーバは真菌ですから、解答はbの緑膿菌となります。

コンタクトレンズの角膜障害について知りたい方はここをクリック

111I77

解答)be

解説)

現病歴より再発する難治性口内炎、霧視・充血などの眼症状を繰り返していることが分かる。

図Aは111D56と異なり、前房蓄膿は頂点がなく平坦です。これはベーチェット病に特徴的な前房蓄膿です。また、下図Cはフルオレセイン蛍光眼底造影(FA)のシダ状の蛍光漏出で、これもベーチェット病に特徴的です。

ベーチェット病に有用な検査は針反応試験、HLA検査(HLAB-51)であるから、解答はbeとなる。

図Bは網脈絡膜炎とその周囲の出血だと思われるが、医師国家試験レベルでは難しいので図A,Cが判別できれば良い。

ベーチェット病について知りたい方はここをクリック

参考文献

厚生労働省HP

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